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反省と感謝の山行

反省と感謝の山行_c0216331_233723.jpg

八ヶ岳地蔵尾根から眺める朝日

今年は赤岳展望荘が2月23日まで開いているということで、
金曜お休みを頂き連泊してきました。
昨冬からの目標でもある八ヶ岳夏冬制覇・・・この冬は黒百合で初雪山テン泊したものの、
とくに新しく制覇した山が無かったので、夏に2度登った赤岳目指したのです。


ただいま、無事に帰宅しこうしてブログを書いておりますが・・・



2週続けての大雪で登山道には雪が多く、しかも平日ということで山に入る人も少ないため、トレース薄く、
美濃戸から行者までを予定時間の倍掛かってしまい、引き返すか悩みましたが、夏コースタイム一時間半の
地蔵尾根から登れば倍の時間掛かっても夕方までには到着するだろうとふんで登りはじめました。
樹林帯は雪深いながらもトレースがあって大丈夫でしたが、森林限界超えたあたりからアイゼンが
刺さりにくいアイスバーンとなり、しかもトレースもはっきりと分からず、そのうちに暗くなってしまい、
あと少しのところでしたが、小屋に連絡をして迎えに来てもらい助けていただきました。
リュックを持ってもらって、ルートを指示してもらいながら、空身でピッケルを打ち込みなんとか登りきり、小屋に到着。
とても暖かく迎えてもらい、涙がでそうなほどほっとして感謝いっぱいでした。
翌日は一日あるので赤岳登りたいと思ったのですが、自分のアイゼンが役不足であるし、登頂してきた人にも
アイスバーンだったと聞かされ、また来季に挑戦しようと歩ける範囲で写真撮っていました。
そして下山の朝、小屋でスパッツ(ゲーター)をどなたかに持っていかれてしまうという、山を始めて初めての受難に会い、仕方なくテーピングテープでパンツの裾を巻いて降り始めました。
嫌な予感はその辺りからしていたのですが、地蔵尾根降り始めてすぐに、登ってくる人を避けたあとコースに戻ろうとした瞬間に持っていた鎖から手が離れ滑落。どうにかして止めようとおもってもスピードを上げて落ちていくのをどうにも出来ず・・・しかし、運よく20メートルほどで止まる事ができました。
片足だけで雪なのか岩なのかわからない場所で踏ん張っていて、もう片足を安定させようにも雪がほろほろと崩れていく。なぜそんなところで止まる事ができたのか思い返しても謎です。ふと、上を見るとリュックのサイドポケットに入れていた水筒が傷だらけで岩場に引っかかっていて、キャップもはずれ、中身も空になり、雪が詰まっていました。それをゆっくり手を伸ばして持ったものの、もう一度サイドポケットにいれることは出来ず、諦めてこれ以上落ちない岩場に置きました。そうこうしている間に、同行していた仲間が救助要請。なんと運良く、山岳救助のプロの方と訓練に来ていたお仲間達がすぐ上を通り掛ったとのこと。すぐにロープで降りてきてくださり、手際よく私をロープで確保して引っ張り上げて助けてくださいました。
なんとか安全な場所に辿り着いたころ、小屋の方も駆けつけてくださり、もう一度小屋へ。
そして、小屋にあった爪がしっかりしたアイゼンを装着してもらい、危険な場所が終わるまで付き添っていただき下山することができました。
仰向けで滑落したのですが、もしうつぶせでなら止まれなかったし、途中の岩で流血は免れなかっただろうし、第一、今、こうして部屋にいることも無かったかもしれません。
そしてたまたま救助のプロの方々が通り掛らなかったら、力尽きてさらに落ちていたことでしょう。
いろいろなことを思い返しながら、帰宅してリュックを片付けようとしたら、なんと傷だらけの水筒が出てきました。
確保してくださったときにリュックに入れてくれていたのですね・・・水筒を手にしたその瞬間に張り詰めていたものが溢れ出しました。
今回、いろいろな人に助けていただき、しかも、これに懲りずにまた登ってねと言葉を掛けてもらいました。
まさに皆さん、“岳”のさんぽさん。
すぐには怖くて山に入れないと思うけど、体を鍛え直し、正しい装備や、アイゼン&ピッケルワークをきちんと学ぼうと思います。
そして引き返す勇気を持ち、目標にとらわれないようにしようと心に決めました。
安全第一・・・娘をひとりにできませんから。
by i-marin95 | 2014-02-24 00:44 | Climbing record | Comments(16)
Commented by loughpaper2788h at 2014-02-24 05:13
素晴らしい朝日を見させて頂きました。行かれた人しか分からない苦労があったと思います。
Commented by ぷち at 2014-02-24 14:12 x
もぉ~~本当に無事でよかった(;_;)
無理しちゃダメじゃん。運任せじゃダメよ~~。
・・・って私なんかに言われなくても、今回のことで十分に感じてるよね。きっと。
お願いだから、無茶しないで~。
ご家族はもちろん、ちょっと離れたこんな場所にも
あなたの無事をいつも願っている人がいること、
心の片隅に置いておいてねm(__)m
Commented by kazu-alpha at 2014-02-24 18:47
全文読みました。
おいおいって感じですね、更新が無いので雪で大変なのかと思っていたら山でしたか。
ん~言葉が無い、楽しみと命を天秤にかけないでくださいね。
Commented by makkuroGS at 2014-02-24 20:07
ご無事でなによりです。
自分はニワカ登山者なので、単独登頂等はまだなのですが冬の山の風景に魅力があり、何時かは自分も...と、こちらの素晴らしい画を拝見しておりました。
冬の雪山には万全の装備、体力、精神力、決断力が必要なのですね。
家族の事を思うと無理はできませんね。
Commented by なまはげ at 2014-02-24 21:20 x
 あの時運が悪かっただけなのか、今まで運が良かっただけなのか、どっちなんだろう。死んだらこんなことも考えられないわけで、やっぱり無理はできませんぜ。
てっぺんじゃなくてもすてきな景色ってあると思うから、そんな一枚を期待してます。
Commented by canikon at 2014-02-24 21:33 x
素晴らしい写真いつも見てます、一枚の重さ、十分感じとれる写真ですね!....でも無理は禁物!なんだか皆さんのコメント読んでると、.....!
Cool Change(Little River Band)必要かも!
Commented by i-marin95 at 2014-02-24 22:20
☆loughpaper2788hさま
夏に何度か登ったコースだったので油断していました。ここからの富士山や八ヶ岳の眺めは最高なのです。

☆ぷちさん
夏に何度か登ったので慣れてると思ったの。いろいろと調べると冬季事故の多い場所だったようで・・・
知識不足も良いところだったわ。もっともっと体鍛えて、山訓練も習いにいかないとと思った。自己流はダメだね。
ご心配お掛けして・・・ごめんね。
Commented by i-marin95 at 2014-02-24 22:25
☆カズαさま
まさかニュースになってしまいそうなことが自分の身の上におきると思ってませんでした。
一歩間違うと・・・いや、今回無事だったのは幸運だったのかもしれません。
気をつけます。

☆makkuroGSさま
写真のための登山が、ピークを踏むための登山になってしまったような。
昨冬に一気にピークを踏めたのに、今年は天候や体力不足で目標が全く達成できず焦りもありました。
装備も万全だと思っていたのに全然だめでした。
一度、ガイドさんに習おうと思ってます。自己流は危険でした。
Commented by i-marin95 at 2014-02-24 22:31
☆なまはげさま
今回は知識と装備不足だったのにこうして帰ってくることができてとても幸運だったと思います。
時間が経って振返ると本当に恐ろしくなってきました。
・・と同時に、自分も出来る形で山で人を助けることができないかなとも思っています。
自身の山行は結果より、写真を楽しむほうにシフトしようと思います。

☆canikonさま
一度山に入ったら、なんとしても登頂しなくてはと気負っていました。
特にこの冬は挫折ばかりで結果を残せていませんでしたから。
あと、お休み取ったのにもったいないとも・・・
気持ちに余裕を持って楽しみながら登りつづけたいと思います。
Commented by びくこな at 2014-03-02 17:15 x
地蔵の頭からのつぶやきを拝見してました
「へぇ~、とうとう...」と思って、その後の顛末をblogで拝見するのを楽しみにしてましたが、まさかこんなことがあったとは...

とにかく何より、ご無事で良かった
運よく、お怪我とかもそれほどでもなかったのですね

山に感謝して、皆に感謝して、またいつか次の山行きをblogで拝見させてください

臆病なくらいがちょうど良いそうですよ^^
Commented by i-marin95 at 2014-03-03 16:58
☆びくこなさま
直後にはこうして記事が書けたのだけど、日に日にその時のことが思い出せなくなってます。
現実に起きたことなのかな・・・とか。
そして山に足が向きません。
今回は行者で時間オーバーした時に引き返すべきだったと反省。
出発の時、決めていたのにせっかく休み取ったのにもったいないと思ってしまいました。
山は逃げないとはいえ年齢は確実に増えますから焦りがあるのでしょうね。
いったい何を目指してるやら^^;
Commented by 国民文化祭・あきた2014 潟 at 2014-03-04 16:13 x

「自然と暮らす 日本の原風景写真コンテスト」のお知らせです。
はじめまして、国民文化祭・あきた2014 潟上市実行委員会事務局です。
こちらのブログで投稿されています素敵な写真を拝見させていただきコメントさせていただきます。

潟上市実行委員会事務局では、下記要領で「自然と暮らす 日本の原風景写真コンテスト」を開催しております。

全国各地の農村・漁村・里山・里湖・里海の風景やそこに暮らす人々の「生活」「文化」「行事」等、生き生きとした営みの一場面の写真を募集しております。

詳しくは、国文祭・あきた2014 潟上市実行員会公式ウェブサイトをご覧ください。
こちら→ http://kokubunsai2014-katagami.net/index.html

また、募集要項 ・ 出品申込書は、公式ウェブサイトからダウンロードも可能です。
こちら→ http://kokubunsai2014-katagami.net/katagami_project/main_project.html

<応募締切>
 平成26年6月30日(月)必着
<審査日>
 平成26年7月10日(木)
<審査員>
 ・公益社団法人日本写真家協会会長 写真家 田沼武能 氏
 ・写真家(ネイチャーフォトグラファー) 米美知子氏
 ・写真家 中村征夫 氏(潟上市出身)
Commented at 2014-03-07 20:23 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by i-marin95 at 2014-03-12 00:20
☆鍵コメさま
いいのが撮れたら挑戦してみますよ~!
今年はチャレンジの年なのですw
Commented at 2014-03-19 20:41 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by i-marin95 at 2014-03-19 21:37
☆鍵コメさま
ありがとう。
取り憑かれてしまったんだと思う。
今ではカメラ持たないとしても登りたいと思ってしまうくらいなのです。
今回、何度も引き返すチャンスがあったのに相棒のいうことも聞けず進むことしか考えられなかった。
年齢による焦りもあるのかな・・・
山経験の豊富な方々ほど、自分の山行が危険だと忠告してくださいます。
経験してきたからこその確かなアドバイスなのだと思います。
肝に銘じて安全を心掛けようと思ってます。
大事な試験前だったので娘には最近になってようやく報告したのです。
きっと鍵コメさんも平らなところの空では物足りなくなってるんじゃないかな・・・
その時は悪い見本だと思ってね。
コメント心からありがとう。